自己破産の知識

自己破産は貸した側が丸損するだけじゃない?得もする貸倒処理とは

貸した側は自己破産で丸損するのか。得する貸倒の処理とは

自己破産すると貸した側は丸損するってよく言うよな。

たしかに、だいたい合っている。

貸した側はどうしようもない。相手に財産があるならまだしも、財産がないのなら取り返しようがないからだ

ざびは自分が借りて自己破産人に貸してそいつも自己破産と、両方の立場を経験している。

だから、お互いの立場の気持ちがすんごいわかる。

でもね、実は個人事業主を含む業者が個人に貸していた場合、ある程度ダメージを軽減させる、得をするケースってのもあるんだ。

近頃はフリーランスも増えているから、事業主として、お金の貸し借りをする人も増えているんじゃないだろうか。そういう人には耳寄りな情報だ。

もし今お金を貸しているのなら、覚えていて損はないぞ。

この記事を読むとこんなことがわかる

  1. 貸した側が自己破産で損をするケース
  2. 貸した側が自己破産で得をするケース
  3. 節税になる「貸倒金」の基本的な考え方

個人間だと貸した側が自己破産で丸損

自己破産で貸した側が損をするケース

個人間の貸し借りの場合、自己破産されたら丸々損になる

ここを読んでいるキミには申し訳ないが、貸した金がもどってくる確率はかぎりなくゼロに近い。

ただし、個人で事業をしている人ならば、下で書く貸倒処理をすれば、人に貸したお金を経費として計上することもできるぞ。

ざび
ざび
詳しくは、税理士や会計士などに相談してみてほしい

ざびの体験談「貸したら最後」

俺の場合、貸したのがあるビジネスのやり手だったが形式上個人対個人だ。

自己破産されたときはどうしようもなかった。

たしか恵比寿かどっかの法律事務所から通知がきやがった。

おいおいおい、なんとなくわかっていたけど、50万円中残り40万円くらいの損だぞ!ふざけんな!と思ったが、それも一瞬だったね。

なぜなら貸してしまった自分が悪いなとも思ったから。

貸した瞬間から戻ってこないなと思ったし、そもそもそいつに貸したのも脅しだったから、モビットから借り入れた50万円だったんだ。

借りたものをそのまま貸したっていう。借金する枠を受け渡したようなもんだ。

で、そのモビットの借金もまとめて自己破産するつもりだったから、ま、いっかと思ったね。

だから、この場合一番の被害者はモビットってわけだ。

それはさておき、おそらくオレみたいに脅しに屈してしまった被害者がほかにもいたはずだ。

弱者を代表して言いたい。

人に金を貸したらそれが脅しだろうが信頼のある人からの純粋な頼まれごとだろうが、戻ってくることはない。いや、戻ってくるのを期待してはいけないあげたと思わないと。

その後連絡をとれなくなるぞ。

オレも思わず、貸したヤツの秘書みたいな窓口のおばさんにひたすら文句言ったけど、本人と会話したのは金を貸した日が最後だ。人間てね、そんなもんよ。

貸したヤツの行動はたいてい2つに分かれる。

逃げまくって音信不通になるか、自己破産するかだ。

借金をして返すことができず、逃げて逃げて時効までもっていくヤツもいるからな。相当なタフだけどね。

関連記事:意外に知らない?借金の時効が5年とか10年とかあるらしい【返済経験者が解説】

業者対個人なら貸した側が自己破産で得にも

自己破産で貸した側が得をするケース

業者が個人にお金を貸していた場合、自己破産したほうがメリットがあることもある

なぜか?

実は、業者は債権(借金を回収する権利)を貸倒金として処理することで、経費に計上できて、結果として法人税の節税になるんだ。

ちと難しい用語がでてくるな。

貸倒:貸しているお金の回収ができないこと

経費が増えれば、利益が減る。法人税は利益が少ないほど安い。

つまり、経費が増えれば法人税も減るってことだ。

自己破産をしないで、いつまでも返さないでズルズル引きずられるよりは、はっきり払えないと言ってくれたほうが損失としてカウントできるんだ

だから業者にとってみれば、自己破産してくれたほうが会計上有利になるってこと。

もちろん貸した金が全額返ってくるのが理想だけどね。でもどうせ返ってこないんだったらさっさと損失として計上したほうがマシなんだぜ。

ここからは、具体的に貸倒処理について解説していくから、まったくの個人の貸し借りで、業者以外の人は読み飛ばしてくれて構わない。ただ確定申告とかする人なら読んでいて損はないぞ。

貸倒金を経費にする対象と2つのパターン

貸倒金を経費にする

経費にするには営業活動名義での貸しでないとダメ

まず、貸倒金を損失として計上するには、単純に資産を個人に貸したってわけじゃなくて、事業として、営業活動として目的をもって相手に貸した事実がないと対象にならないぞ

たとえば、消費者金融が個人に金を貸すのは、高い金利をとってもうけを出す商売のためだから妥当だよな。貸倒処理できる。

だが個人的に、友達へ会社名義で金を貸すってのはダメ。

そのへんの線引きは正直あいまいだから税理士に相談してみてほしい。

ざび
ざび
くれぐれもズルはしないように。

貸倒金を経費にするには、「全額を貸倒処理」と「貸倒引当金」の2パターンある。

順番にみていこう。

債権全額を貸倒処理する場合

貸倒処理:貸し付けていたお金が回収できないときに、貸したお金を資産ではなく、経費(損金)として計上すること

一気に貸付金全額を損失として処理するには、はっきりとした証拠が必要になる。

つまり、破産手続きがすべて終了するまで待たないといけない

じゃあ実際どんな条件がそろえばいいのか。

  • 貸した相手に資産がない
  • 貸した相手に支払い能力がない
  • 貸した金額全額を回収できない
  • 担保がない

こういった条件がすべて確定するのは、自己破産の手続きが全部終わったとき、つまり免責許可が下りた時だ

免責:借金がチャラになること。実際には自己破産したら借金チャラになるんではなくて、免責許可されることで初めて借金チャラになる。

関連記事:【経験者が解説】自己破産の”免責”ってなに?チャラにならないの?

ただし、消費者破産といういわゆる消費者金融からの借り入れが返せず自己破産で同時廃止のパターンは、自己破産開始決定と同時に損失として計上してもいいことになっている

財産もないし、もう返せないよってのがほぼ確定しているからな。

管財事件の場合は、そもそも財産があると裁判所が認定するわけだから、まだ債権が回収できる可能性がある。勝手に損失に計上してはダメだ。

同時廃止:財産なしの自己破産

管財事件:財産ありの自己破産

ざび
ざび
管財事件は同時廃止より複雑になるぞ。

関連記事:

【体験談あり】自己破産は”同時廃止”がキホン?

自己破産の管財事件ってなに?破産経験者がわかりやすく解説

自己破産開始決定から免責許可が下りるまで2か月くらいかかるから、事業年度をまたぐようなら計上するときに注意だな。

貸倒引当金の計上をする場合

貸倒引当金:まだ貸倒処理ができない条件・状況で、債権額(貸付金)の一部を損失として計上すること

最大で債権額の1/2まで損失として計上できるぞ。

これでかなり節税になるな。

条件は、自己破産の申し立てがあったときから

免責許可の決定まで待たなくていいからいいよな。

ただし、後になってから計上するのはNG。

きちんと自己破産の申し立てがあった時に計上しないと経費として認めてもらえないぞ

まとめ

  1. 個人間での貸し借りの場合、自己破産すると貸した側は丸々損する。取り返すことは基本できない
  2. 業者が個人に貸した場合、自己破産すると貸した側が債権を経費にできて節税できる
  3. 貸倒金を経費にするには、「貸倒処理」と「貸倒引当金」の2パターンある。
  4. 貸倒処理するためには、破産手続きが終了(免責許可の決定)するまで待つ必要あり
  5. 貸倒引当金は、免責許可の決定を待たなくても一部(最大1/2)を損金として計上することができる

貸した相手が自己破産なんて想像したくはないが、現実けっこう起こりうる。

年間で7万人近くが自己破産している状況だ。

もし自分がそういう目にあって、個人事業主とかで商売しているのなら、貸倒で経費として処理できないか税理士などに相談してみよう。

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