自己破産の知識

「自己破産させない本舗」とは何か。破産経験者が解説

自己破産させない本舗とは何かを解説

ども、ざび(@dr_zawinul )だ。

27歳のときに借金938万円抱えて、自己破産をした。

さて以前ネットで話題になった「自己破産させない本舗」は知っているだろうか?

「自己破産させない本舗」はサイトの名前。

検索したら今もバッチリ出てくるぞ。

今回は自己破産を経験したざびが「自己破産させない本舗」についてやや批判的にまとめてみた。

というのも名前の通り、ざびとまったく意見が反対だからだ。

借金したその後の正体を知れば怖くなくなるっていうスタンスは似ているし、勉強になるところもある。

細かいところは飛ばして、ざっくり読んで、総括だけ見てもらってもかまわない。

  • 自己破産しないほうがいいのか
  • 自己破産したほうがいいのか

この記事を読んで考えてみてほしい。

「自己破産させない本舗」とは

自己破産させない本舗とは

自己破産させない本舗は、MASTERチャーリーという人物(実在するかどうか不明)が運営するサイト名。

チャーリー氏は車屋業などを手がける経営者で、自身も1億円の借金をしていた

独自の手法で借金を解決したので公開したという運びだ。

このストーリー自体が本当かウソかはわからない。

まあまずは実際のサイトを見てほしい。

自己破産させない本舗

サイトはいわゆる情報商材によく見られる典型的なランディングページだ。

実際こういう売り込み臭満点の文書が並べられたページを見たことがあるっ人も多いだろう。

要は、自己破産せずに借金をチャラにする方法を教えますってマニュアルが商品

いかにも怪しい。

ただ、このマニュアル、情報商材なのに無料なんだよね。

じゃあなんのためにマニュアルなんて配っているのか。

おそらく、後ろに控えている高額なコンサル費用を取るための撒きエサだと予想する

自己破産しないで借金を解決したいって人のリストを集めたいんだ。

それはともかく、マニュアルは氏名とメールアドレスを入力すればすぐ手に入るぞ。

ざびは中身を知りたくて、申し込んでみた。

すぐにメールがきて、マニュアルがPDFファイルで添付されていた。

一体どんな内容なのか。

「自己破産させない本舗」の主張

自己破産させない本舗の主張

著作権があるのであんまりあからさまな引用はできないから、ざっくり言うな。

「自己破産させない本舗」では、はっきりと書いてはいないが借金の踏み倒しを勧めている

結局お金がないなら、踏み倒しても何も差し押さえられないから

ないものはない!どうしようもないからいい。

「無い袖は振れない」だな。

また、少し財産があるのならバレないように口座からお金を移す

はあ?バカ言うな。そんなことが許されるのか?

という人もいるだろう。

法律的には問題ない。

自己破産するときに財産を隠すと詐欺破産罪になるけどな。

差し押さえを防ぐために自己防衛することは許される。

ただし、このやり方には問題があるんだ。

「自己破産させない本舗」の問題点

自己破産させない本舗の問題点

問題点1.会社員にはデメリットが大きい

経営者の場合は銀行から直接借りているから、その銀行から離れたところに資金を移動すればそれで済む。

しかし勤め人はそうはいかない

会社に勤めて給料をもらっている場合、差し押さえをくらうと給料が1/4減る

手取り20万円なら15万円になるイメージだ。

借金で苦しんでいる人にとって自動的に毎月5万円手取りが減るってのは深刻なダメージになる。

差し押さえを防ぐために給料の現金手渡しを申し出るって手もあるが難しいだろう。

マイナンバーが普及している今は現金で給料手渡しするような会社はほとんどない。

だから会社にはまちがいなく差し押さえされたのがバレる

そして、差し押さえをくらうようなら会社からの信頼も損なわれる

それならば、自己破産のほうがバレる心配なく借金の問題を解決できる

ざび
ざび
バレる・バレないの差は大きい。

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問題点2.データの分析に偏りがある

このツッコミは自分で言うのもなんだが細かい

なので飛ばしてもかまわない。

  1. 自己破産が人を救わないと結論づけるのは早まりすぎ
  2. データ分析が甘い

とだけつかんでおいてほしい。

マニュアルの中で、

「自己破産は弁護士の商売のためで、借金した人たちを救っていない」

という主張がある。

自己破産なんてお金をかけてやるだけムダ!やめろと言うんだな。

その裏付けとして、

自己破産申請件数と自殺者数は完全に連動してます。

と書かれている。

たしかに2010年までのデータを見ると、自己破産が増えると自殺者も増えている。

自己破産が増えたのは司法改革で弁護士の数が増え、債務整理のPRが盛んに行われたからと。確かにそれは関係ありそうだ。

でも自殺者は減ってるどころか増えている!おかしいじゃないかと言うんだな。

残念ながら債務整理という手法が困ってる人の助けになってないのは明白です。

でも本当にそうだろうか?

こいつを検証したい。

まずツッコミたいのが、データが最新ではない

自己破産者数は2010年までしか載っていないんだ。

ちなみに2011年以降のデータも調べたので載せておく。

自己破産件数推移自己破産申立件数の推移

これは総務省の出している司法統計だ。

自殺者数の推移自殺者数の推移

こちらのグラフは「自己破産させない本舗」のマニュアルにあるのと同じものだ。

ぱっと見た感じ、たしかに2つのグラフは同じような動きをしていて「連動」しているように見える。

ただ、注意深くみてみるとおかしいなと。

見にくいけど、自己破産件数(オレンジの棒)は2015年からゆるやかに上昇している

それに対して自殺者数はというと、2015年(平成27年)以降だんだん減っているのがわかる

こうしてみると、自己破産件数と自殺者数は「完璧に連動」はしていない

そもそもね、1999年からの自殺者数増加と自己破産件数の増加ってさ、別の大きな要因があると考えるほうが自然

たとえば、2003年には自殺者数も自己破産件数も1番高い数値だ。

2003年は株価がバブル後最安値を更新した年

つまり全体の景気が悪くなった結果、ビジネスがうまくいかず自己破産と自殺者が増えたとも言える。

2つのデータとも、景気要因に引っ張られただけのことなんじゃないか

ちなみに直前の2001年、2002年は周辺の年に比べ、企業の倒産件数も多い。

自己破産件数が増えれば救われる人が増えるぶん、自殺者は減るはずというのは、一見正しいように思える。

ただ、それ以上に景気などのほかの巨大な要因があったのなら、自殺者は増えるに決まっている

むしろ自己破産の制度がなければもっと自殺者は増えていたかもしれない、こうも言えるんじゃないか。

さらに言ってしまえば、自己破産の意味は自殺者の数だけで語れないしね。

マニュアルを作ったチャーリー氏は、わざと連動しているデータだけ抜き取って結論づけたんではないのだろうか?と疑ってしまう。

とまあ、いろいろ指摘したが、まとめると、

  • 自己破産が増えたのは債務整理のPRを盛んにしたからという指摘はそのとおりかも。
  • が、自己破産と自殺者が増えたのは、全体の景気が悪化したからではないか
  • 自殺者数が増えたことと自己破産が増えたことの因果関係は認められない

問題点3.現実的に実行するのが難しい

踏み倒しをするには度胸がいる。

消費者金融から催促の電話や手紙が送られてくるのって思った以上に精神的なダメージが大きい。

罪悪感にさいなまれる人が大多数だ。

「そんなもん、しらん」と開き直れる人がどれくらいいるだろうか。

日本の法律では借りたほうが強いから大丈夫ですよーというチャーリー氏の理屈はそのとおりだと思う。

ただ、あまりに世間体と離れている考えは実行するのにとても勇気がいる

借金の踏み倒しを平然とやってのけた経営者を知っているが、催促されても「いや、ないものはないんでムリっす」とカンタンに言える人だ。ふつうの人と神経がちがいすぎる。

できるだけ穏便に、迷惑をかけずに済む方法を探している人もいる

ならば、多少高くついても弁護士に頼んで解決したほうがいい。

精神的なコストはだいぶ減らせる。

総括

このマニュアルはデータは正確なものを使っていて説得力もそれなりにある。

ただ、実際に実行するのは難しい。

だからあくまで「マニュアル」なのだ

どちらかというと「みんな、真実を知ってくれ!」というジャーナリストの告発記事といえる。

それはそれで正しいところもある。データや資料は公表されているものを使っていてデタラメではないし。

ただ、それにしてもデータの分析は甘いところがあるし、最新のものにアップデートしたうえで語ってほしい。

以上ふまえて、ざびの個人的な見解はこうだ。

心臓に毛が生えているようなメンタルに自信のある人はこのマニュアルどおり差し押さえ覚悟で借金を踏み倒してほしい

ただ、少しでも差し押さえや催促に不安を覚える人は自己破産を選んだほうが無難だ

ポイントまとめ

  1. 「自己破産させない本舗」の借金解決策はいわゆる踏み倒し。
  2. 「自己破産させない本舗」の運営者はMASTERチャーリーという人物で経営者。自身も借金をし、踏み倒している
  3. 借金が払えなくて口座を差し押さえられても、何もなければ何も被害はない。
  4. ただし、会社で働いている場合、給料の1/4は差し押さえをくらう。
  5. 踏み倒したらどうなるのかを知っていれば怖くはない。
  6. とはいえ、貸金業者からの催促のプレッシャーに勝てない人もいる。理屈ではわかっていても現実的に実行するのは難しい
  7. メンタルに自信がなければ自己破産したほうがいい

自己破産を迷っているなら無料相談してみよう

  • 自己破産したら全財産が没収される
  • 自己破産すると周囲の人に必ずバレる
  • 自己破産すると二度と立ち直れない

これらは全て誤解だ。正しい情報を知って、正しい判断をするためにはプロの弁護士や司法書士へ相談をするのがベスト。

裁判所に直接「自己破産したいんですけどどうしたらいいですか」ときいたら、

「まずは弁護士に相談してください」

と即言われたぞ。

裁判所が答えたってことはつまり、公的な機関が認めた、公式の回答だ。

まずは弁護士に相談、これがみんな通る道と思っていい。

“どうしよう、こんなケースは大丈夫かな”と推測ばかりしていて、一人で悩む時間は正直もったいない。

その間も返済の催促はくるし、利息も溜まっていく。

借金問題はできるだけ早く解決して、次の生活にエネルギーを向けたほうが立て直しも早くなる。

自己破産したいけど、弁護士に頼むのはすごく敷居が高い

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まずは小さな一歩から。気軽にはじめみよう。

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